22時51分18秒
島根県の道の駅に寄贈されたあるモノが物議を醸している。段ボール製の授乳室だ。「天井なし、鍵なしで不安」「衛生的に問題」「倒れそう」。そんな批判がSNS上で殺到した。使い勝手は気になるが、問題の本質はそこなのか。真に考えるべきは、段ボールの是非か。(曽田晋太郎)

 寄贈したのは日本道路建設業協会で、道の駅で授乳室やおむつの交換台を備えたベビーコーナーの設置を加速させる国土交通省の取り組みに協力しようと、実施した。協会は2023〜25年度に、公募に応じた中から、授乳室がない施設を優先して150の道の駅に一つずつ贈る計画だ。今月13日に大分県の道の駅に寄贈したのを皮切りに本年度は50カ所に贈るという。

◆寄贈されたけど…上から覗ける、倒れそう

 ただ冒頭の道の駅に関しては、段ボール授乳室を設置した日にSNS上で批判が殺到。「女性の羞恥や恐怖に無頓着」「安全で清潔なきちんとした授乳室にして」「背の高い人なら上から覗のぞけるし、子どもがカーテンを開けそうで怖い」「揺らしたら倒れそう」と投稿が相次いだ。

 この道の駅は授乳室を人の往来が少ない場所に置き換えたほか、屋根を付け、パーティションによる仕切りを設けた。今後、カーテンを2重にして内側からフックを掛けられるようにしたり、室内に照明を付けたりする。久保川将園長は「安心して使ってもらえるように改善したい」と話す。

 国交省道路局企画課の担当者は「寄贈はありがたい」とした上で「さまざまな意見を承知しており、可能なところは対応してほしいと協会に伝えている」と説明。協会の担当者は「意見を参考に、できる範囲での改良も