三菱UFJ・三井住友銀、相互にATM無料化
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3747523007112018MM8000/
2018/11/7 17:03 日本経済新聞 電子版

三菱UFJ銀行と三井住友銀行は2019年前半にもATMを相互開放する。預金者は両行のATMで平日の日中に現金を引き出す際の手数料が無料になる。
当面は店舗外の計2300カ所程度を対象とし、将来はすべてのATMを開放することも検討する。
ネットバンキングなどの進展でATMの稼働率が落ちるなか、預金者の利便性を維持・向上させるにはATMの相互開放が不可欠だと判断した。

相互開放の対象は駅前や商業施設など銀行店舗の外にある無人拠点に置いたATM。効果を検証し、将来的には全国に両行で約1万4000台ある
すべての拠点のATMを相互開放することも検討する。みずほ銀行とイオン銀行は13年から相互開放しているが、メガ銀行同士では初めて。
両行は相互開放に伴い、計500〜600程度のATM拠点を廃止する方針。年間で数十億円程度の経費削減を見込んでいるようだ。
硬貨や通帳を受け入れず、紙幣だけを扱う簡易型ATMを共同開発する検討も進めており、将来は共同運用も視野に入れる。

現在は他行の口座から現金を引き出すと平日日中(午前8時45分〜午後6時)で108円、早朝や夜間は216円の手数料がかかる。
三菱UFJか三井住友に銀行口座があれば預金の引き出しで両行のATMを同じように使えるようになる。両行間の振込手数料の取り扱いは今後詰める。
インターネットバンキングの利用が広がり、現金を使わないキャッシュレス決済も進展するなかで、銀行ATMの利用はしだいに減少。
低金利で銀行の収益性が悪化するなかで全国にATM網を張り巡らせる負担は重くなっている。そこで顧客の利便性に配慮し、
相互開放で利用者が使えるATMを増やしつつ、両行で重複した地域のATM網を見直す。

3メガ銀の一角であるみずほ銀は新しい勘定系システムへの移行を進めているため、今回の相互開放に加わらない。
ただ両行の関係者は「他行の受け入れを見据えた枠組みにしている」と説明しており、両行の取り組みを土台に参加する銀行を増やしたい考えだ。