僕は道を歩いていて、ときどきクスッと笑うことがある。
「ああ、自分は天下のエポスゴールド所有なんだ」
激烈なインビテーションを突破してから2年。
合格発表の日のあの喜びがいまだに続いている。
「エポスゴールド、金色のエポッケ」・・・・・
その言葉を聞くと、僕は自然と身が引き締まります。
ゴールドカードの先輩方に恥じない自分であっただろうか・・・・。
しかし、先輩方は僕に語りかけます。
「いいかい?伝統というのは我々自身が作り上げていく物なのだよ」と。
僕は感動に打ち震えます。
「人が何をしてくれるかを問うてはならない。君が人に何をなしうるかを問いたまえ」
僕は使命感に胸が熱くなり、武者震いを禁じえませんでした。
でもそれは将来クレカヒストリーとステータスをになう最高のエリートである僕たちを鍛えるための天の配剤なのでしょう。
ノーマルカードを卒業し社会に出ることにより、僕たちゴールドカード所持者は伝統を日々紡いでゆくのです。
嗚呼なんてすばらしきエポスゴールド。
知名度は世界的。人気、実力すべてにおいて並びなき王者。
素晴らしい実績。余計な説明は一切いらない。
「お支払いは?」と聞かれれば「持ってて良かったエポスゴールド」の一言で羨望の眼差し。
支払いのたびに味わう圧倒的なゴールドカードの威力。
インビテーションに選ばれなかった卑しき賤民共の戯言を読みながら悦に浸っての就寝。
エポスゴールドに受かって本当によかった。