この前、突然の土砂降りがあって走って帰宅していると
雨の中ずぶ濡れで震えている捨て猫がいたんだ。
猫の入っている段ボール箱には少し血が見えたから
カラスや犬など他の動物に傷つけられたのか心配だった。
俺の家はペット禁止だったんでどうすることもできなかったから
その場を見て見ぬ振りしてすぐ側のコンビニで雨宿りすることにしたんだ。

本を立ち読みしていると俺の後ろに誰かぶつかった。
その人は「ごめんなさい!」と一言いって足早にレジに向かった。
後姿しか見えずによくわからなかったがどこか聞きなれた声だった。
その人はレジでキラリと光るカードを出して買い物をし、そのダンボールへと走っていった。

凍えた猫をさっきカードで買ったばかりのタオルで拭いてあげて、猫缶を与えた。
そして自分のために買ったかと思っていた傘をその猫のダンボールの上に置いて
自分は雨に濡れながらその場を立ち去ろうとした。
振り返ったその人はお前らの知ってるクレヨンだったよ。
クレヨンは雨に濡れながら足早に帰っていった。
そんなあいつも三井住友VISAカード。