「原発移住」体験を自費出版

東京電力福島第1原発事故をきっかけに、東京都世田谷区から西日本の広島県呉市に家族で移住した編集者神原将さん(37)が体験をまとめた「原発引っ越し」を自費出版した。
ホームページ(HP)などで注文を受け付けている。

震災直後の緊迫した東京の様子、放射線におびえて外出を控えるなど異常な生活を強いられたこと。
過剰反応ではと迷いながらも家族の安全を考え、呉市に移ったことなどを率直につづった。
原発事故や引っ越しについての友人とのやりとりや、短文投稿サイト「ツイッター」やメモを基にまとめた。

しかし「東京のイメージダウンにつながる」と出版社からは断られ、自費で発売した。初版は完売したため増刷する。

東北や関東地方から他地域に移った人に「放射能汚染や地震の影響」などのアンケートも実施し、結果を本にするという。
神原さんは「震災後の東京の現実を知ってほしい。移住に迷っている人を勇気づけられたら」と話す。