俺の地元の海岸のそばに、夏だけ開くプレハブみたいな
ショボイ貸しバンガローが数軒あった。
そこに冬の間に忍び込んで首を吊った奴がいて、夏が近ずく頃に
白骨死体となって発見された。
そのバンガロー群は流石に縁起が悪いとなったらしく、更地となり
その跡に土建屋の資材置き場となったが、今度はそのすぐ隣の
海浜公園駐車場で焼身自殺があった。
自殺者は車の中で灯油を被って火を付けたが、苦痛のあまり
車外に出て、火達磨のまま駐車場を転げ回っていたそうだ。
その焼け焦げた跡は今でも駐車場のアスファルトに残っている。

そんな資材置き場なんだが、今度はコンビニとなった。
俺の記憶が正しければ白骨死体が見つかった場所は、このコンビニの駐車場
の辺りなんだが、そのコンビニに行く度に店員にこの話をしようかどうか
ちょっと考える。
たぶん、この店で働く人は誰もそんな過去を知らないんだろうな。