「Trick or Treat(いたずらか、ビジネスか)田中さん。」
振り返るとそこにはコニシくんがいた。
「どうしたんですかぁ、ぼんやりしてぇ。まあ丁度1年だし効果が切れ始めたのかな…」
「…コニシくん。イチソは、玖条イチソをどこやった」
感じたこともない気迫。だがコニシはさらりと流す。
「あーあ、思い出しちゃってたかぁ。まあ丁度1年経ってるし。今年もハロウィンパワーで催眠をかけ直さなくちゃあ」
「イチソは、どこだ!」
「あーはいはい。怒鳴らなくてもいいですよ〜。またすぐ忘れますからねぇ。」手を叩く。
「…!!??身体が?動かな」
「アイツが悪いんですよ。俺らの田中さんに身体ですり寄ってさ。汚らわしい」
「イ、イチソはどこだ!」
指も動かない。
「アイツはいま中国だったかな?きっと娼絵師以下の存在になってますよぉ!ま、どうせすぐ忘れるでしょうけど。」
「Trick or Treat」ニコリ