フィリップ・モリス・インターナショナル(以下、PMI)は現在、加熱式タバコのアイコス(iQOS)の販売申請を米国のFDA(食品医薬品局)に出している。
米国ではまだいわゆる加熱式タバコの販売が許可されていない。
PMIは都合いいデータを出しているのか
PMIが申請と同時に出した資料は何百ページにもわたる膨大なもので、微に入り細をうがった詳細なデータが添付されている。
FDAは意見聴取やパブリックコメントの収集などの段階にあるが、11月13日に米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校のスタントン・グランツ教授からPMI申請を却下することを求める文書(※1)がFDAへ出された。
この文書によれば、PMIはすでに健康に対する潜在的に害を及ぼす可能性のある24のバイオマーカー
(炎症、酸化ストレス、コレステロール、トリアシルグリセロール:中性脂肪、血圧、肺機能に関するもの)のデータを出しているが、
24のうち23のバイオマーカーにはアイコスと従来の紙巻きタバコの間に統計的に有意な差はない、ということのようだ。
また、同教授はPMIがこれらの違いを科学的に分析するための通常のテストをしなかったことを指摘し、意図的に分析データを無視していることを批難している