ペニスを膣から少し後退させると、亀頭冠(きとうかん)の裏側に包皮が寄り集まるのだが、この時、ペニスの中で最も神経受容体が集中し敏感な包皮の先が、これまた亀頭の中で最も敏感な亀頭冠に接触する。
ペニスを更に後退させると、強い刺激を受けるのでブレーキがかかる仕組になっている。
このため、無傷男性のピストン運動は小幅である。

 包茎手術では33-50%の包皮が切除されるが、割礼男性はその分、陰茎海綿体と尿道海綿体がスライドできる包皮が減る。
その代わりに、膣壁にこすりつけるので、摩擦や摩耗を増やし、人工の潤滑剤が必要となってくるわけだ。
包皮が小さいと、一方向弁として設計されている亀頭冠は、ペニスが後退する度、膣から愛液をかき出してしまう。包皮完備のペニスと違い、この後退を制限するセンサーもない。

 また、神経受容体には射精を誘発する機能が備わっているが、包皮が切除されたペニスは、神経受容体もその大部分が包皮と共に取り除かれているので、その機能自体も無い。
これら受容体の喪失は亀頭、陰茎海綿体、尿道海綿体が受ける強い圧力と喪失した(受容体の)繊細な感覚との間にアンバランスをもたらす。
このアンバランスを補い、オーガズムに至るためには、割礼男性は女性の膣にペニスを大きく出し入れすることで、亀頭、陰茎海綿体、尿道海綿体を刺激する必要が出てくる。
その結果、女性の膣内からは愛液が減り、恥丘とクリトリスへの継続的刺激も減ってしまうわけである。

 実際、調査結果を見てみると、割礼組と無傷組で性交の技巧が違うという点で、圧倒的多数の女性の意見は一致している。
女性の73%は、割礼男性はピストン運動のストロークが大きく、強く深いと回答。
その一方で、女性の71%は、無傷男性は比較的ピストン運動が小幅で、動きも優しく、恥丘とクリトリスに接触しやすいと回答している。