【識者の眼】「日本の医療の遅れの責任はどこにあるのか?」渡辺晋一

また海外ではイソトレチノインというレチノイドが30年以上前から存在し、重症ニキビの第一選択薬となっている(避妊期間:服用期間中とその前後1カ月間)。
この薬は欧州では中等症でも、標準治療に反応しない患者には第一選択薬となっている。しかし日本では認可されていない。
重症のニキビ患者は顔に結節や瘢痕が生じ、深刻な精神的苦痛を与えることが多いが、日本ではどうすることもできない。
この薬の導入により日本の重症ニキビ患者の悩みが消える可能性があるのに、厚生労働省は何もしない。このような事例は数えればきりがない。
海外の文献やWHOの報告を見ればEBMを知ることができ、日本でも世界の標準治療を実践できるのに、厚労省はこれをしないようである。