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生体エネルギー学の臨床(15) 肥満・糖尿病の食事療法
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炭水化物でも、小腸で残らず消化吸収されるブドウ糖、果糖、砂糖などの単糖や二糖類(糖類)の摂取が望ましい。
でんぷんなどの多糖類は小腸で消化吸収ができないレジスタントスターチを含み、水溶性繊維とともに腸内細菌のえさとなり、腸内細菌を増殖させるからである。また、糖類は同じ量のでんぷんよりも基礎代謝量を増加させる。

植物でも、完熟果物は問題が少ないが、穀物、野菜、豆類、ナッツには反栄養素と言われる有害化学物質(フィチン酸塩、シュウ酸塩、レクチン、グルテンなど)が含まれ、
食物に含まれる必須栄養素やミネラルの吸収を妨げ、腸管バリア損傷(リーキーガット)の原因となる。植物を摂取する際、生は避け、良く調理して摂取するのが良い。

腸管バリアの保護には、飽和脂肪酸、ナイアシナミド、グリシン/ゼラチン、ビタミンA/D/E/K/B2などが有効である。
また、腸内細菌の増殖を予防治療するためには、不溶性食物繊維(ニンジンサラダなど)や活性炭、抗菌薬などが有効である。また、TLR4アンタゴニストとしてナルトレキソン、シプロヘプタジン、プロゲステロンなどが有効である。

タンパク質は必須アミノ酸が豊富な動物性タンパク質の摂取が望ましく、摂取量の目安は0.7-1g/kg体重である。
過剰に摂取したタンパク質は、コルチゾールの分泌を促進し、アミノ酸に分解され、肝臓で糖新生に利用されるが、アンモニアの産生量を増加させる。
アンモニアは肝臓で尿素に変換され腎臓で排泄されるが、肝腎機能が低下した際には、タンパク質の摂り過ぎに十分注意が必要である。

脂肪は多価不飽和脂肪酸(PUFA)であるサラダオイルを極力避け、飽和脂肪酸(SFA)であるココナッツオイル、バターの利用が望ましい。一価不飽和脂肪酸であるオリーブオイルも問題は少ない。
反芻動物である牛や羊は第1胃でPUFAをSFAに変換することができるが、単胃である鳥や豚は飼料(穀物)中の脂肪酸がそのまま反映されるためPUFAが多い。鳥肉や豚肉の過剰摂取には注意が必要である。