急峻に血糖値が上昇すれば、追加分泌のインスリンも大量にでます。
従ってGIの高い精製炭水化物を摂らないことは、
将来の生活習慣病の予防になります。
つまり正常人が主食に玄米や全粒粉のパンなどGIの低い未精製の穀物を食べることは
とても有意義なのです。

ちなみに、空腹時血糖値が100mg/dlの正常人がいると仮定して、
個人差はありますが、炊いた白米を一人前150g(糖質量約55g)食べたら、
食後60分血糖値は140~170mg程度に上昇しますが、
炊いた玄米150g(糖質量約55g)でしたら、
60分後のピークも140mgまでですみます。


しかし糖尿人においては、事情が全く違います。
糖尿人が炊いた白米150gを食べたあとの血糖値のピークが280mgとしたら
炊いた玄米150gなら260mgといった程度の差で、
所詮は軽く200mgを超えてきます。
つまり糖尿人が常用量の1人前の主食(糖質)を摂取すれば、
GIなど全く無関係に血糖値は200mgを超えて上昇するとうことです。

従って糖尿人においては、GIは意味をなさないと考えた方がいいのです。
糖尿人では、
「体重64kgの人で1gの糖質が、2型で3mg、1型で5mg血糖値を上昇させる」
という公式を覚えておくことのほうが有用です。

例えば牛乳を水代わりに500ml飲めば、糖質は25gも摂取することとなります。
そうすると血糖値は2型の糖尿人で75mgも上昇することになります。
逆に言えば、100mlていどの牛乳を飲むとか、紅茶に牛乳を少々入れるとか、
料理に牛乳をちょっと使うとかは問題はありませんね。


結論です。
GIは正常人では参考になりますが、糖尿人では、ほとんど参考になりません。
糖尿人では、GIよりも食品に含まれる糖質のグラム数が大事です。


江部康二