渡辺氏はその中で,「感染性の疲労,精神ストレスによって起こる疲労,運動性の疲労に共通して働くメカニズムがあり,
まったくすべてが同じメカニズムということではないにせよ,どこかで疲労を感じる神経回路があり,
そこにさまざまな修飾がおよんでいるものと思われる」と指摘。そして,「この神経回路は意欲,達成感,
報酬などの中枢とも密接に関連し,また,睡眠・日内リズムの中枢とも密接な交流がある。痛みの研究では,
痛みを忘れるぐらいに物事に熱中している時の脳内の活動を調べて,このような修飾系の入力についても判明し
つつある。このような考えに立てば,近い将来,疲労感の神経回路についてもさらに理解が進むものと考えられる」
と今後の研究の方向性を示唆した。

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