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【PDE5阻害薬とアンチエイジング効果】

PDE5阻害薬、って、ご存知ですか?バイアグラとかシアリスとかいえばおわかりになるでしょうか。そのPDE5阻害薬が、いまアンチエイジングの特効薬として脚光を浴びてます。
2014年5月に日本新薬(株)から前立腺肥大症治療薬のザルティアという薬が発売されて、前立腺肥大症の治療目的で健康保険で処方できるようになりました。
当院でも多くの患者様に処方させていただき、好評をいただいています。実は私も毎日飲んで、その効果と安全性を身を以て実証しています。
このザルティア錠の有効成分がタダラフィルといって、シアリスと同じですが、ザルティアは前立腺肥大症の治療が目的ですから5mgしか飲みませんから、EDの治療効果はあまり期待できません。
しかし、近年PDE5阻害剤には毎日飲むことによって前立腺肥大症だけではなく、膀胱血流量を増加して組織を修復する作用や、血管内皮細胞保護作用、テストステロン活性化作用、
酸化ストレス改善作用、さらには長寿遺伝子のSIRT1を活性化作用があると言われ始め、アンチエイジング効果や、ED予防、心筋梗塞予防、動脈硬化予防に有効ではないかと、脚光をあびるようになりました。
現に内科領域では肺動脈高血圧症などの治療薬として転用され始めています。
バイアグラが発売された直後、私は北里大学病院でED外来の立ち上げを命ぜられて、毎週相模原に通っていました。
そこで、バイアグラには陰茎流入動脈の促進作用があるのではないかとインプレッションを持って、F社の学術に研究助成を依頼しましたが、
当時、バイアグラの作用機序は、流出静脈のオープンチャンネルを阻害するだけで、流入動脈には関与しない、世界的な常識だ、と、そっけなく断られてしまいました。
しかし、同じ時期に、世界中で私と同じ考えを持った学者がいたのでしょう。あきらめずにPDE5阻害薬の血流促進効果を証明したのでしょう。嬉しくもあり、悔しくもあります。