長寿のためのコレステロールガイドライン 2010年版
日本脂質栄養学会 コレステロールガイドライン策定委員会

第T章 コレステロール摂取量を増やしても血清コレステロール(TC)値は上がらない
第U章 “高リノール酸植物油の摂取を増やし動物性脂肪とコレステロールの摂取を減らす”という従来の栄養指導は、むしろ心疾患、癌などを増やす
危険性が極めて高く、これを勧めない
第V章 血清コレステロールの心疾患に対する相対危険度は調査集団により大きく変わる。集団中の家族性高コレステロール血症(FH)などの割合が
クリティカルな因子であると解釈すると、この変動性が合理的に説明できる可能性がある
第W章 コレステロールの基準値を決める上で最も重要なエンドポイントは総死亡率である。40〜50 歳以上、あるいはより高齢の一般集団では、TC
値の高い群で癌死亡率や総死亡率が低い。これらの集団には、コレステロール低下医療やコレステロール低下をめざした食品を勧めない
第X章 女性に対するコレステロール合成阻害薬、スタチン類の使用は不要とされてきたが、男性に対しても医師の合理的な判断による特別なケースを
除き、動脈硬化性疾患予防にスタチン類は不適切であり、勧めない
第Y章 血清コレステロールの善玉(HDL-C)・悪玉 (LDL-C) 説は、その根拠が崩れた
第Z章 中性脂肪値が 150mg/dL 以上でも脂質異常症とはいえない。一般集団では、中性脂肪値の高い群のほうが総死亡率は低いという結果も報告され

第[章 動脈硬化性疾患およびその他の炎症性疾患を予防するためには、ω6 系脂肪酸の摂取量を減らしω3 系脂肪酸の摂取を増やすことを勧める
第\章 家族性高コレステロール血症などの先天性遺伝因子をもつ人に勧める脂質栄養
第]章 脳卒中はコレステロールや動物性脂肪摂取の多い群、血清脂質レベルの高い群ほど発症しにくく、脂質レベルの高い群のほうが予後は良好である
第]T章 わが国の食環境でみられる植物油脂の供給増の方向は危険である。動物に有害作用を示す植物油脂の代わりに動物性脂肪を肥満にならない程度に摂取すること、またそれを可能とする食環境作りを勧める