教育水準の低い/低所得層の/アフリカ系の/アラフィフの/男性で/既に高血圧や糖尿病の既往がある場合 (←役満)
生活習慣が健康的ではない傾向があり、改善を促す介入を行っても移行しない傾向が強い(non-responder)

■[2007年文献] 若返りの生活習慣改善(ARIC)
King DE, et al: Turning back the clock: adopting a healthy lifestyle in middle age. Am J Med. 2007; 120: 598-603.
http://www.epi-c.jp/entry/e888_0_0026.html
結 果
◇ 健康的な生活習慣の実施率
ベースライン時(Visit 1)に4項目すべてを満たす健康的な生活習慣を実施していたのは,15708人中1344人(8.5 %)だった。
★★生活習慣が健康的ではない傾向★★がみとめられたのは,45〜54歳の人,★★男性,★★アフリカ系アメリカ人,★★高血圧または糖尿病既往のある人,★★最終学歴が高校以下の人,★★家庭の年収が3万5000ドル未満の人。
◇ 健康的な生活習慣に移行した人
ベースライン時(Visit 1)に健康的な生活習慣を実施していなかった人のうち,6年後(Visit 3)までに4項目すべてを満たす健康的な生活習慣に移行した人(改善移行群)は970人(8.4 %)。

改善移行群で多かったのは,55〜64歳,女性,★★★アフリカ系アメリカ人以外★★★,大卒以上,年収3万5000ドル以上,高血圧または糖尿病の既往がない人。
高脂血症や冠動脈疾患既往については,生活習慣改善との関連はみられなかった。

改善移行群のうち,ベースライン時の該当項目が3項目だった人は670人,2項目だった人は270人,1項目だった人は26人で,0項目から移行した人はいなかった。
改善移行群のうち,各項目の改善率は以下のとおり。
・「1日に5つ以上の野菜や果物を食べる」: 78 % (改善前の平均は3.8)
・「1週間に2.5時間以上の運動(少なくとも歩行)をする」: 38 %
・「BMI 18.5〜30 kg/m2」: 4.6 %
・「喫煙しない」: 12.3 %

(さらに,この4つに加えて「適度な飲酒(1週間に1〜14杯)」および「至適BMI(18.5〜24.9 kg/m2)」を満たす場合に「至適生活習慣」とした。)
至適生活習慣に移行したのは300人未満だった。