昨年イギリスの医学誌「ランセット」に掲載された論文である。
アマゾンの奥地に住む部族こそが、世界一健康な心臓を持っていた――といったことをレポートしたもので、
「調査の対象となったのは、アマゾンの奥地で暮らすチメイン族705人。
CTを撮影するなどして彼らの冠動脈の状態を調べたところ、4つに分けた冠動脈疾患のリスクレベルの内、
リスクが最も高いグループに該当したのは1人しかいなかった」と、岡本院長は話す。

「冠動脈疾患とは心筋梗塞や狭心症のことで、当然、動脈硬化によって引き起こされます。
つまり、チメイン族には動脈硬化がほとんどない、ということが分かったのです。
注目すべきは彼らの食生活で、摂取カロリーの構成が、タンパク質14%、脂質14%、炭水化物72%となっている。
チメイン族は米、オオバコ、コーンといった糖質の多い作物を焼畑農業によって得ており、摂取する糖質の割合が高いのです」

アメリカの名門「ジョンズ・ホプキンス大学」のボーゲルシュタイン教授らによる研究で、科学誌「サイエンス」に掲載された。

「ボーゲルシュタイン教授は大腸がんのほぼ全ての遺伝子を発見し、発がんのメカニズムを明らかにした人で、ノーベル賞を取るのではないかと言われている世界的権威です。
その教授が、“低血糖が、がんを発生させる”という結論を導き出した。
この研究が発表されるまでは“がんを封じ込めるには、糖質を制限すべきだ”というのが定説だったので、当然、医学界には衝撃が走りました」