『Hba1cが5.6%以上なら食後血糖が高い可能性がある』
ので、指導するとのコメント・質問をいただきました。
私も、としのさんのお考えに、賛成です。
いわゆるメタボ検診では、
HbA1c5.6%以上を対象に「75g経口ブドウ糖負荷試験」を推奨しています。
これだと、境界型の食後高血糖や軽症の糖尿病の段階で診断できるという意図です。
意図はわかるのですが、HbA1c5.6%以上の人全てに、75g経口ブドウ糖負荷試験を実施するというのは、
大変な手間と費用が必要であり、現実的ではありません。
そんな莫大な医療費をかけるよりは、普通に糖質摂取後1〜2時間の尿糖を調べれば、
かなりの確率で食後高血糖を拾い上げることができますし、金も手間も随分楽だと思います。
すなわち、血糖値が170〜180mg/dlを超えていると、尿糖が陽性になるのです。
これでひっかかった人だけが、75gOGTTを受ければいいと思います。

「空腹時血糖値」「空腹時インスリン値」「食後1時間血糖値」「食後2時間血糖値」
「HbA1c」「糖質摂取後1〜2時間の尿糖」

の中で、いわゆる食後高血糖(境界型、IGT)を早期診断するのに
一番いいのは、上記の尿糖検査か「食後1時間血糖値」「食後2時間血糖値」です。
食後1時間血糖値が180mg/dlを超えていると将来糖尿病になりやすいです。
食後2時間血糖値が140mg/dlを超えていれば、境界型です。
HbA1cは、過去1〜2ヶ月の平均血糖値を反映していますが、食後高血糖を見逃す可能性があるので、欠陥のある検査です。

江部康二