司法試験、待望の合格 静岡市職員の男性14年勉強重ねる

 静岡市総務局コンプライアンス推進課係長の後藤貴浩さん(44)が2017年の司法試験に合格し、
18年1月に市の職員表彰を受ける。当面、司法修習は受けずに業務を続けるという後藤さんは
「せっかく学んだ知識。市のために貢献したい」と話している。

 市によると、司法試験に合格する自治体職員は珍しい。後藤さんは静岡大人文学部法学科出身。
高齢者福祉課職員だった03年ごろ、司法試験の合格者数を増員する動きがあると知り、
「自分にもできるかもしれない」と挑戦を決意した。

 仕事への影響を抑えるため、時間的・経済的負担がかかる法科大学院には通わなかった。
帰宅後の時間や休日を使ってこつこつ勉強を積み重ね、予備試験を受けて12年に司法試験の
受験資格を取得。司法試験には予備試験合格後5年以内という受験制限があるが、
最後のチャンスだった5回目で待望の合格を果たした。

 後藤さんは16年からコンプライアンス推進課に配属され、現在は審理員を務める。
市の行政処分に不服申し立てがあった際に、事実と法律を照らし合わせて妥当性を審理し、
採決を下す審査庁に意見書を提出している。
 法務部門で7年以上の経験を積むなどした上で法務大臣の認定を受ければ
法曹資格を得ることもできるため、後藤さんは今後も市職員としての業務を続けようと考えている。

 「今の仕事は司法の知識をそのまま使えてやりがいもある。これからは勉強を続けながら、
後進育成にも力を入れたい」と語った。

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