気温が低く、厳しい環境で暮らすイヌイットの食生活では、乳製品や植物製食品、炭水化物がほとんど食べられず、狩りや釣りで得られたものがほとんどです。
それにも関わらず、イヌイットの心疾患での死亡率はアメリカ人やカナダ人の半分ほど。

イヌイットのように肉ばかり食べて健康を得ようと思うなら、まずは肝臓などのビタミンAやビタミンDが豊富な内臓を食べること。
ビタミンAは骨や眼球にとって必須の物質で、ビタミンDも骨にとって重要です。
また、脂肪の多い魚はオメガ3脂肪酸が豊富であるため、心臓や血管系によい影響をもたらします。

そしてイヌイットは大きな肝臓を持ち尿の量が多く、糖新生に耐えられる体になっているからこそ、
タンパク質中心の食生活でも耐えられるとも言われています。


さらに、近年の遺伝子研究でグリーンランドに住むイヌイットのゲノムが調べられたところ、
コレステロールや中性脂肪から体を守る遺伝子の変化が見られたとのこと。


つまり、肉だけを食べて生きていくことは可能であるものの、
覚えておくべきなのはイヌイットが肉中心の食生活を送っているのは必要に迫られてのことだということ。
脂肪が多い食生活を送り十分な体重を得ることで食べ物が少ない状況に耐え狩りを行うことが可能になるのです。


これは現代の都市部における「炭水化物を抜いて痩せよう」という考え方とは反対の発想。


鯨の脂肪を生で食べたり、内臓を食べたり、自分に有利に働くよう遺伝子を変化させない限り、
いろんな栄養素をさまざまな食品群から取り入れる食生活を送る必要があるわけです。

関連動画
What If You Only Ate Meat? http://youtu.be/BNAgri-C8Y0

GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20171218-only-eat-meat/