大胆な金融緩和と財政出動を組み合わせた安倍晋三首相の経済政策アベノミクスのおかげで名目国内総生産(GDP)は拡大、完全失業率は事実上の完全雇用を示すと言われる3%を割り込んでいます。

電通の新入社員、高橋まつりさん(当時24歳)の過労自殺事件で長時間労働を見直す動きも出始めました。
がしかし、女性やお年寄りが労働市場に参入したことで非正規雇用がさらに増え、全体で見た場合、賃金を押し下げていることが日本の労働生産性が低迷している大きな理由です。

「高賃金」を実現する決め手
日本が「低賃金・長時間労働・低付加価値」のスパイラルから抜け出し「高賃金・短時間労働・高付加価値」を実現する決め手が、ロボットや人工知能(AI)による無人化、効率化であることは論をまちません。

日本とアメリカで産業別の1時間当たりの生産性を比べると、日本の生産性が高いのは化学と機械だけです。
サービス産業の中で金融はアメリカの48%、卸売・小売業は38.4%、飲食・宿泊は34%です。

こうした分野にロボットやAIを導入して労働生産性を上げていくことが賃金を押し上げることになります。

しかし、イギリスの中道左派系シンクタンク、公共政策研究所(IPPR)は調査報告書
「オートメーションを上手に使いこなせ デジタル時代の雇用・格差・倫理」の中で次のような警鐘を鳴らしています。

ロボット・AI化がすべての仕事を奪うわけではありませんが、産業構造を大きく変えていきます。
オートメーション化が賃金格差をさらに広げる前に政府が対策を講じなければならないというのです。

ロボット・AI化によるオートメーションは2030年までにイギリスの生産性を0.8〜1.4%押し上げ、
GDPも10%増やすとIPPRは予測しています。これがロボット・AI化がもたらすプラスの側面です。
以下ソース
http://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20171228-00079844/