今回は、グルコーススパイク(ブドウ糖スパイク)のお話です。

近年の糖尿病の話題として、

『空腹時血糖値と食後高血糖値の差(ブドウ糖スパイク)が大きいほど、リアルタイムに大血管の内皮が傷害されて動脈硬化になりやすく、将来心筋梗塞や脳梗塞などの合併症の危険性が高まる』

ということが明らかとなりました。

糖尿病の人は、当然、ブドウ糖スパイクが大きいわけです。

また食後血糖値が180mg/dlを超えると動脈硬化のリスクとなります。

例えば、空腹時血糖値が100mg/dl〜110mg/dl未満などと正常でも、糖質一人前を摂取後の血糖値のピークは200〜300mg/dlとなってしまいます。1gの糖質が体重64kgの人で、約3mg血糖値を上昇させるからです。

ちなみに脂質やタンパク質を食べても、血糖値は上昇しないので、ブドウ糖スパイクは起こりません。

つまり、2型糖尿人が従来の糖尿病食(高糖質食)を実践してひもじいのを我慢してカロリー制限しても、糖質を摂取するので食後高血糖は防げません。

炊いたご飯軽く1杯は150gで、250kcalですが、糖質を55g含んでいるので、165mgも血糖値を上げ、グルコーススパイクを必ず生じるのです。

そして食後血糖値と空腹時の血糖変動幅の増加(平均血糖変動幅増大)も血管内皮の障害を生じますが、これを生じるのも糖質摂取時だけです。

スーパー糖質制限食なら、食後高血糖も平均血糖変動幅増大も生じません。

このように将来の糖尿病合併症を予防するためには、糖質制限食以外の食事療法は存在しないのです。

次に、糖尿病がない人でも、精製された炭水化物(高GI食品)を食べれば、糖尿病の人に比べれば小さいとはいえ、ブドウ糖スパイクを生じます。

健常者でも耐糖能には個人差がありますが、一人前の糖質摂取で、30〜60mgくらい血糖値が上昇します。

このとき、180mg/dlを超える食後高血糖を防ぐためにインスリンの追加分泌は数倍〜30倍でます。

そうすると代謝全般に乱れが生じて、アレルギー疾患や高脂血症・肥満など様々な生活習慣病にも悪影響を与えます。