結愛ちゃん虐待死、明らかになったその実態
死亡数日前に「もうご飯食べられない」
読売新聞
2018年06月22日
ttps://toyokeizai.net/articles/-/226412
東京都目黒区で今年3月、虐待を受けた船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5歳)が死亡した事件で、
結愛ちゃんは亡くなる数日前、食事をのみ込めなくなるほど衰弱していたことが捜査関係者への取材でわかった。
声を振り絞って母親に伝えていたという。
今月6日に保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された父親の船戸雄大被告(33)
(結愛ちゃんへの傷害罪で起訴)は警視庁の調べに対し、黙秘を続けている。
「もうご飯を食べられない」。
捜査関係者によると、結愛ちゃんは3月2日に死亡する数日前、食事を与えようとした母親の優里容疑者(25)
(保護責任者遺棄致死容疑で逮捕)に弱々しく話したという。
結愛ちゃんの死因は低栄養などで引き起こされた肺炎による敗血症。
あばら骨が浮き出るほどやせ、体重は5歳児の平均を約7キロ下回る12.2キロだった。
司法解剖の結果、胃には少量の内容物が残っていたが、
倒れていた付近に嘔吐(おうと)した形跡があり、警視庁は、結愛ちゃんが衰弱して食事をのみ込めなくなっていたとみている。
結愛ちゃんは目黒区に転居した1月下旬以降、十分な食事を与えられず、
2月下旬には船戸被告から顔を殴られ、冷水をかけられるなどの虐待を受け、寝たきりの状態になっていた。
心臓近くにある「胸腺」は、同年代の子の5分の1程度に萎縮(いしゅく)。
胸腺は強いストレスを受け続けると縮み、体の免疫力が低下する。
虐待によるストレスで心身ともに弱っていたとみられる。
船戸被告は保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された直後は容疑を認めたが、その後は黙秘を続けている。