アジア人(日本人も含む)は欧米人に比べて、遺伝的にインスリンを分泌する能力が低い事がわかっています。
欧米人はもともと狩猟民族で肉食や高脂肪食の習慣が数千年も前からありました。高脂肪食や肥満によりインスリンの働きが悪くなり(次項のインスリン抵抗性参照)、
したがってインスリンを出す膵臓のβ細胞はそれにうち勝とうとして、この数千年の間に欧米人では非常に鍛えられて強くなっているのです。
ところが、日本人は農耕民族で、和食、ごはんといった低脂肪食を食べてきました。したがって膵臓のβ細胞はそれほど鍛えられなくても十分に対応できる状態だったのです。
その結果日本人のインスリンの分泌量は欧米人に比べて現在50%から75%低いという体質を持っているのです。
 このような遺伝的背景は変わらないまま、30年ほど前から食生活が高脂肪食の洋食中心に変わってきました。
その結果、現在では肥満やインスリンの効きが悪くなるといった状態が非常に強くなってしまい、もともとインスリンの出す能力の悪い日本人が対応しきれなくなり、糖尿病が激増していると考えられています。
http://med.kurume-u.com/2015/08/30/日本人の2型糖尿病の特徴とその治療/
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