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癌細胞はエネルギーの必要性を適応させて、疾患を他の臓器に広める
テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者は、最初の腫瘍で成長し続ける癌細胞と他の臓器に移動する癌細胞の異なる点を明らかにした。
この違いの理由は、細胞の代謝の調節にとって重要な転写活性化補助因子(transcription co-activator)の一つである「PGC-1α」が原因である。
PGC-1αは、癌細胞がどのように独特のエネルギー源を獲得できるかという点に関与すると思われる。この独特のエネルギー源、つまりミトコンドリアは、癌細胞が移動して肉体に癌を蔓延させることを可能にする。
「新しい治療戦略は、癌細胞の代謝だけに存在する独特の脆弱性に集中し始めている。
浸潤する癌細胞の代謝的な要求を確定することは、治療的な価値がありえる」、MDアンダーソンの癌生物学助教授で、Nature Cell Biologyの論文の筆頭著者、ヴァレリーLeBleu博士は言う。

「浸潤する癌細胞は他の部位への移行の間、ミトコンドリアに依存することを我々は発見した。」
癌細胞は、新しいミトコンドリアの成長を刺激するためにPGC-1αを使う。ミトコンドリアはATPを作り出す「エネルギー・プラント」であり、このエネルギー「通貨」は細胞が成長するために用いられる。
また、転移する細胞は、酸化的リン酸化として知られているプロセスに関してPGC-1αに依存する。酸化的リン酸化は、癌細胞の移動の間、ATPの産生を急増させる。
もしミトコンドリアはキッチンであるならば、PGC-1αはシェフ、ATPは料理であり、酸化的リン酸化はその重要な材料である。
このミトコンドリア呼吸というプロセスは、癌細胞が敵対的な行程を耐えぬくために必要とするエネルギーを利用することを可能にする。このエネルギーは、癌細胞が腫瘍と正常な組織を通過して、血管から新しい臓器へと侵入する行程に必要である
癌細胞のPGC-1αを抑制することは、これを達成するように思われる。
「最も危険な癌細胞は、効果的に移動して、新しい「家」を発見することができる」、癌生物学の教授、Raghu Kalluri医学博士は言う。

「我々の研究は、乳癌患者の浸潤する癌細胞のPGC-1α発現と、遠隔転移の形成の間に強い相関を明らかにした。」
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/09/140921144943.htm