【顎関節症】
分類

I型:咀嚼筋障害を主徴候とし、その病理は筋緊張と筋スパズム、筋炎である。
顎関節部の運動痛と運動障害を僅かに生じることがあり、筋痛を強く生ずる。

II型:関節包、関節靭帯、関節円板の伸展や捻挫による病変を主徴候とし、
顎関節部の運動痛と圧痛を強く生じ、関節雑音を生ずる。
筋痛は弱い。関節鏡下で病変を認める。

III型:関節円板の転位や変性、穿孔、線維化を主徴候とする。クリッキングと呼ばれる関節雑音が顕著である。
筋痛はなく、顎関節部の疼痛は弱い。

III型a:復位性関節円板転位:関節円板の位置関係が復位する時に関節雑音(クリック音)が確認できる。
III型b:非復位性関節円板転位:関節円板の位置が復位しない。ひっかかりのための開口障害や顎関節の疼痛がおこる。

IV型:関節軟骨の破壊、下顎窩や下顎頭の骨吸収や変性・添加、関節円板や滑膜の変形異常などを主徴候とし、
クレピタス音と呼ばれる関節雑音が顕著である。X線所見上も大きな異常を認めるようになる。

V型:上記のI〜IV型のいずれにも該当しないが、顎関節領域に異常症状を訴える、心身医学的な要素を含むもの。



■顎関節症 顎偏位症の症状。
{1}口の開閉の際に雑音、衝撃が走る (関節雑音、クリック)
{2}顎関節に疼痛や異物感がある、咀嚼が辛く食事が困難
{3}口をまっすぐ開けない、上下の歯の間に指が縦3本以上入らない、喋ることが苦痛 (開口障害、ロック)
{4}顎の位置が定まらない(前に出る、奥に食い込む、前後左右の異動)、咬合に異常、口を完全に閉じれない
{5}その他

■悪化や慢性化に伴い下記など様々な『不定愁訴』をひき起こすことも‥
頭、首、背中、関節または全身の痛み、体のしびれ、背骨や骨盤の歪み、脚のもつれ、歩けない
顔の歪みや麻痺感、耳痛、難聴、眼痛、充血、視力低下、視野狭窄、鼻のつまりなど顔の器官の異常
口内の乾燥感・歯の動揺・舌のカーブ・発音障害・喉のつまり、呼吸困難、嚥下困難、めまい
脱力感、閉塞感、情緒不安定、鬱病、自律神経失調症などの疾患