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■運動して背が伸びるか
背の低い子に運動すれば背が伸びると聞く事が多いですが、本当にそうなのでしょうか。
そうだとすると運動によって何センチ伸びるのでしょうか。
身長を伸ばすのに大きな役割を果たす成長ホルモンは、睡眠、運動、空腹時に分泌されます。
しかし運動することでこのホルモンが大量に出て最終身長を5〜10pも伸ばすなどと言うデーターは、
この分野の研究を探しても全くないのです。
今から30年ほど前ベストセラーになった
「背が高くなる本」の副題に“あと3p伸ばすため”にとありました。
爆発的に売れたのはやはり“あと3p”でも身長を伸ばしたいという人が大勢いたからでしょう。
最近では「子供の身長を伸ばす生活マニュアル」という題の本も出ています。
これらの本は蛋白質の多い食品を食べ、よく運動をし、熟睡をするように書いてあります。
どこの家庭でもこれに心掛けているでしょうから、本に書かれている事を完全実施で3pとすれば、
普通に生活し運動していれば1〜2pは伸びているはずです。
実際のところ非常に運動量を増しての効果は1p内外でしょう。
見方を少し変えてみると、身長は頭の重量が脊椎への負担になることから、朝測定時の方が大きく、夜は低くなっています。
朝夕の差は平均で0.5p。大きいと0.8pは普通です。
さらに毎回の身長測定にも測定誤差はありますから、年間の身長測定差が1p以内となった時、
成長が止まったと考えるのが成長を専門にしている人達の常識になっています。
これらの事をも考慮に入れると、たとえ有ったとしても1p位の差は学問的に運動をした為と
断定できるだけの数字ではないことはおわかりになるでしょう。
実は成長に大きな影響を及ぼすものには、家系的要因(遺伝)といつ思春期がきて第二次性徴が始まるかがあり、
この二つの影響の前には運動によって得られるプラス部分は影響が薄いと言わざるを得ないのです。
本当の所運動もやらないより、やった方が良いのですが、それに大きな期待を掛け過ぎないことです。
身長を伸ばすために無理をして毎日クタクタになる迄運動をする必要は無く、医学の進歩により、
成長曲線や精密検査などから良い方法が見出せる可能性も大きいので、専門医を受診、相談されるのが良いでしょう。