ビートルズ解散後のポールへの評価。『マッカートニー』へは「散漫」が
当初言われていたことで、次に「肩の力が抜けたアットホーム」のような
言い方もされるようになった。

 ウィングス時代になり『バンド・オン・ザ・ラン』は「グラミー賞受賞の
傑作アルバム」と呼ばれ『ヴィーナス・アンド・マース』『スピード・オブ・
サウンド』も大ヒット。

 結論的には当たり前のことだがビートルズにあったテンションを期待
すると大外れが解散後のポール。まったく別個のソング・ライターとして
聴けばそれなりに聴ける。

 ただし同じく解散後のジョンのものと比較すると、緊張感、過激さ、
と同時にメロディ・メイカーぶり、ポップ・センスも忘れないテンションの
高さでジョンが生きていた70年代に限っても、レベルの違いは否めない。

 ジョンにはポールほどの解散後の落差はない。そこが大きな違い。