映画『let it be』でのポールはprideが高く、bestな演奏でなきゃ
許さない、みたいな感じだったからね。それはジョンへのギター演奏への
指導、ジョージとの口論によく出ている。あれが焼き付いているんでね。
老化で劣化したvocalでliveとか、ポールのやることではない。自分の
劣化したvocalは許されるって。それは違うでしょう。

 あと、ビートルズの作品に潜在した革命を担ったのがジョンで、ポ
ールの作品といわれるものでもそれは潜在している。その辺のことが
らも全部抜けて、ビートルズ同窓会に終始しているのがあのliveでし
ょう。もともと解散後のポール自体が〈ビートルズ−(マイナス)革命
性〉で、ビートルズにおける「一般受け」だった。今liveでポールが
やっているのも同じです。変わってない。いつ終わっても、ポールと
という表現者にとって影響なさそうな次元でしかない。だから、あの
コンサートがいつ終わってもポールの表現に影響はないと思います。
僕のやっていることも、たとえliveから引退してもポールという存在
に影響はない。