実際にはジョン・レノンが最もジョン・レノン自身として、ビートルズ以降というか
もっとはっきり言えばハンブルク以降初めて自分を取り戻した唯一の時期だと思う

思索的な詩人としてのビートルズリーダーの顔、
独立後の平和活動家とか左翼支援者とかの、ビートルズ時代からの虚像を更に増幅させた顔、
ジョン・レノンは若者文化のリーダーという地位から逸脱する事を恐れすぎて、
本来の自分を殺してまで、大衆イメージを忠実になぞり過ぎたのだ
彼こそ4人の中では最も対人関係に気を配り、神経質なほど細やかなのに、無理にマッチョを演じていた

この時期、4人は対照的な生き方を選んでいく。ジョンとジョージはビートルズで有り続け
ポールとリンゴはリバプールの不良に戻った生活を選んだ。
この頃の精神的な負担が、その後の4人の人生を変えた。二人は色彩のある生活、二人はモノトーンだ