今じゃ「イマジン」や「ラヴ」はビートルズの曲、つまりレノン・マッカー
トニーの曲だって思われているんだよ。たまにラジオで流れるけれどね。
そして、「真夜中を突っ走れ」はエルトン・ジョンのカタログって認識だよ。
「コールド・ターキー」や「インスタント・カーマ」なんて、レコードがあった
ことすら忘れられている。

そろそろ活動を始めないと、誰もが僕のことを忘れてしまうだろう。不思議な
ものだ。最初はそれを求めていた筈なのに、誰も振り向いてくれないとなるとたまらなく
寂しい。ポールとウイングスは、ストーンズの連中は、最早僕をライヴァルだとも思って
いないんだろうか。

僕は・・・、僕はきっとポールやストーンズを振り向かせるために、「あの曲は、僕が書いたんだ」
とか「この曲は僕の曲の盗作だ」なんてことを喚き続けているに違いない。きっと狂ってるんだ。
嗚呼、どうしたらいい?僕は全裸になって、ヨーコに抱きつくしかないのか?

月刊Solanum lycopersicum誌 
1980年5月のジョン・レノン・インタビューより