球春到来を前に、巨人の原辰徳監督が今季で勇退し、コミッショナーに就任するという説がまことしやかに囁かれている。経団連副会長に就任する南場智子DeNA会長が後ろ盾になって球界に新たな風を吹き込むのだという。原監督も、東京ドームを使って入国できない外国人選手救済に動くなど、球界の舵取りに、はや着手――。

3月26日に開幕するプロ野球で、いま喫緊の問題が、外国人選手の来日についてである。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府は1月中旬から外国人の新規入国を停止している。プロ野球も例外ではなく、14日現在、計55選手の入国が認められず、混乱が続いているのだ。

とりわけ深刻なのが、開幕戦で巨人と東京ドームで対戦する横浜DeNA。主砲のN・ソト、T・オースティン、さらに〝勝利の方程式〟の一翼を担うE・エスコバー投手ら10選手全員が来日できておらず、長期にわたって外国人不在で戦うことを余儀なくされているのだ。

政府は1都3県に再発令していた緊急事態宣言を、3月21日で解除。外国人の新規入国についても例外的に認める方向だが、入国できても2週間の待機(宿泊または自宅)が設けられるため、戦力の不均衡はすぐには解消されない。

この問題解決に立ち上がったのが、巨人の原辰徳監督。今オフ、横浜DeNAからFA宣言した井納翔一投手、梶谷隆幸外野手を獲得した〝お礼〟ではないが、敵に塩を送るとばかり、外国人選手救済の助け舟を申し出たのだ。