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安曇野市が中学の野球部統合 部員減少で来年度から

 中学校の野球部員の減少を受け、長野県安曇野市教育委員会は来年度、学校ごとの野球部を廃止して、地域スポーツクラブの「オール安曇野」に移行させる。中信地区全体でも本年度の1年生部員は男子が100人を割り込んでおり、生涯スポーツである野球の裾野を広げ、楽しさを伝える新たな取り組みが求められている。

 安曇野市内の中学校で、野球に必要な9人の部員がいるのは豊科北(2年生9人、1年生3人)だけとなっている。堀金は本年度に部員がいなくなり廃部となった。1年生部員は5校合わせても9人しかいない状況だ。
 このため各校の野球部顧問が協議を行い、「オール安曇野」の設立を提案し、市教委と校長会が決定した。現行チームの活動は来年の中体連夏季大会までとなる。「オール安曇野」の練習は土、日曜日のいずれかで市内中学校で行い、平日の練習は地域指導者と各校の顧問間で検討する。
 「オール安曇野」が発足すれば、元々野球部のない豊科南や、廃部となった堀金の生徒にも野球をする機会ができる。学校の人事異動の影響を受けず、地域指導者が継続的に一定水準の技術指導を提供できる利点もある。
 野球部員の減少は安曇野市だけではない。松本市内では私立を含む15校のうち、部員が9人以上いるのは9校だけで、その中でも1年生が0〜2人という部が3校ある。塩尻市内で部員が9人以上いるのは5校中2校だ。大町市と北安曇郡は既に「オール大北」に移行しており、複数の地域指導者が連携して競技力の向上につながっている。木曽郡内は中学校の野球部はないが、地域の指導者仲間が全郡選抜チームの「オール木曽」を平成30(2018)年に発足させている。
 野球離れの背景には少子化だけでなく、子供がボール遊びをしなくなったこともある。安曇野市では昨年、リトルリーグから高校までの野球指導者が市青少年野球協議会を発足させ、「あづみの野球フェスタ」を開いた。初回には約100人の親子連れが参加し、野球という遊びを楽しんだ。本年度も12月から3回開く予定で、こうした取り組みも地道に継続する必要がある。
>安曇野市教委の古幡栄一教育指導員は「野球に親しみ、生涯スポーツに通じる能力や態度を身につけられる場にしたい」と話している。