http://baseballstats2011.jp/archives/59203332.html

佐々木は2019年の夏の予選の決勝で投げなかった。前の試合で完投した佐々木を、國保陽平監督は登板回避させ、チームは敗れた。

岩手県内から轟々たる非難の声が上がり、大船渡高のOB会では國保督の更迭の話が持ち上がったと言う。
いわゆる高校野球の「名将」も「一番大事な決勝。理解に苦しむ」渡辺元智、「佐々木君が出ていたら勝っていたかもしれない」岡田龍生、「『僕、いけます』と監督に直訴できる選手であってほしかった」野々村直通とこの決断を批判した。

地元の人たちや、これらの指導者は昨日の快挙を見て、どう思うのだろうか?

私は2019年4月、川崎市内の整形外科医を取材していて、國保監督と佐々木朗希が診察室から出てくるのに出くわした。その医師からは「書くなよ」と言われたが、この時期、國保監督は佐々木の肘、肩がどんな状態なのかをチェックして「投げさせる限界」を決めていたのだ。

この夏の登板回避は、そのガイドラインに沿ってのものだったのだ。

そして翌年、佐々木の指導者になった吉井理人ロッテ投手コーチは、筑波大大学院で國保監督の同窓生であり、同じ考え方で佐々木を育成したのだ。

入団したのがロッテではなく、根性論で投げさせる球団であったなら、佐々木は藤浪晋太郎のようになったかもしれない。