名監督と呼ばれたい、大監督と呼ばれたい。そんな気持ちが原采配の随所にあふれている。

とにかく、よく動くのだ。動き過ぎるほど、動く。まあそれで結果的にうまくいけば、「原采配的中!」と大きな見出しになるから、嬉しくてたまらないのだろう。キャッチャーを固定しないのも、その1つ。1ボール後の代打も、4番にバントもそうである。

ピッチャー継投も、早めならすべていいというわけではない。よく言う「早め早めの継投」は、迷信に近いと私は思う。

ピッチャー交代の条件は、@信頼度、A疲労度、Bバッターとの相性、Cコンディション、Dリリーフとの力関係、Eアクシデント。

このどれにも当てはまらない交代は、相手を助けるだけではないか。

奇策は本番の試合になって、いざ監督の思い付きで行うのではなく、キャンプの時期から監督の考えの1つとして、選手の頭に植え付けておかなければならない。つまり「こんな作戦もある」という選手の想像の範囲内に、それがあるということだ。原監督が以前試した内野5人の変則シフトなど、キャンプでは話にも出ていなかった。まさにその場の思い付きに過ぎなかったのだ。

彼は自身の勝負哲学を、選手にどう話しているのだろう。  by野村