巨人一転、他球団提案のDH制に「NO」 日本人限定で導入「差別。プロ野球の良識疑われる」
http://www.zakzak.co.jp/smp/spo/news/210209/bas2102090003-s1.html

 緊急事態宣言の延長に伴い入国できない外国人選手が相次ぐなか、戦力均衡を図る目的でセ・リーグに持ち上がった「日本人限定DH制」案に、これまで熱心にDH導入を提唱してきた巨人が一転、反対に回っている。

 セ・リーグでDH制を導入するには、リーグのアグリーメント変更が必須。6球団の理事会で満場一致が条件となるが、巨人が提案した期間限定のDH制などは、ことごとく否決されてきた。

 だが、今回のDH案は反対派だったはずのセ・リーグ他球団から持ち上がった。宣言延長で在留資格のない外国人選手が3月7日以降まで入国できない事態を受け、
助っ人が入国済みの球団との戦力差を埋めるべく、DHを日本人選手限定で導入しようという狙いだ。

 だが、巨人の球団幹部は夕刊フジの取材に対して、「他球団が検討しているのは、外国人選手を規制しリーグのレベルを落として均衡を図ろうというもの。
こんなことを受け入れられるワケがない」と一刀両断。確かにDH制でセ・リーグのレベル向上を目指す巨人とは、正反対の理念といえる。

 ほかに他球団からは、出場できる外国人選手の人数を制限する案も出され、積極的に追随する球団も多かったというが、いずれの案も巨人は断固拒否の姿勢だ。
同幹部は「どう考えても、外国人選手への差別だといわれる。プロ野球の良識が疑われますよ。絶対に反対」と語気を強める。

 外国人選手の扱いを巡り巨人VS他球団の構図が強まるなか、数少ない一致点は入国後14日間の隔離期間を短縮することだ。
8日の「第25回新型コロナウイルス対策連絡会議」でも、Jリーグとともに政府に要望していくことを確認した。
日本野球機構の斉藤惇コミッショナーは「2週間の隔離を10日、できれば5−7日くらいに短縮できれば」との考えを示したが、
政府のゴーサインが出なければ、セ・リーグにくすぶる火種はさらに勢いを増すことになる。 (片岡将)