ドラフトウラ話「なぜ西武は外れ1位で投手を獲らなかった?」右の大砲・渡部健人を急浮上させた“ある動画”
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「10試合で8本っていうハイペースもすごかったけど、それ以上にホームランの内容がよかった」

 桐蔭横浜大・齊藤博久監督の証言だ。

「ここ(横浜スタジアム)のバックスクリーンにも持っていったし、右中間のいちばん深いところで、あとちょっと……って打球もあった。
相模原球場で1試合2弾の時は、やっぱりバックスクリーンと、2本目は左中間の芝生席の最上段でしたから」

 両翼95m、中堅120m……相模原球場は右中間、左中間のふくらみも深い。

「それだけのすごいホームラン、ガンガン打ってるのに、コロナのせいなのか、スカウトの人があんまり見に来てないんですよ。
それで、『お前もついてないなぁ……』なんて、健人と話したりしてたんですよ」

 そんなある日、マネージャーさんが何やらパソコンで、映像の編集をしているのが齋藤監督の目にとまった。

「何してんだ? って訊いたら、『熱心に見に来てくれる○×スカウトに、
健人のホームラン8本の映像を送ってあげようと思って』なんて言うじゃないですか。これだ! って思いましたね」

 たいていのチームは、リーグ戦の実戦の様子を、ネット裏からビデオ撮影している。

 それなら、特定の誰かさんだけじゃなくて、調査書持ってきてくれた10球団全部に送って、「渡部健人のすべて」をアピールしようじゃないか!

―― 齋藤監督の指令が下って、その反応がものすごかったという。
「映像を見てくれた監督さんが、『もし近大の佐藤(輝明・内野手・阪神1位)と渡部が両方獲れて、
近い将来クリーンアップを組むことを想像しただけでワクワクして眠れない! 』って言ってくれたり……こっちがビックリするほど、反響があったんですよ」