DeNA前社長・池田純が今だから語る。ラミレス抜擢と“暗黒期”の秘話。

2015年、中畑清さんが監督を退任され、次期監督を選ぶ時のことです。ラミレスは監督に向いてい
るのではないかと思い、高田繁GMを含めて三者面談を行いました。その時の情熱がすごかった。
事前にしっかりと準備をして、自分には何ができるのか、というプレゼンテーションをしてくれま
した。

中畑監督のもと、'13年には6年ぶりに最下位を脱出するなど、チームの底力が上がっている実感は
ありました。そこからさらにステップアップするために必要なのは、安定して結果を残せるように
なることでした。

ほかにも監督候補者は10名ほど挙げられていたのです。しかし、チームに欠けているものを埋めて
くれるのはラミレスだと思い、決断しました。

ラミレスは、選手のころから“平常心”に重きを置いていた。打った日も、打てない日も、ブレな
い自分を持ち続ける精神力を持っていました。彼が監督になれば、チームにもブレない軸ができる
のでは……。そう考え、ラミレスを監督に抜擢したのです。

初めは「パフォーマンス」「人気取り」など批判的な意見もありました。でも、今の結果を見たら、
そんなことは言えないでしょう。彼は選手とのコミュニケーションを重んじ、他人のモチベーショ
ンを下げる行動をしません。

number.bunshun.jp/articles/-/829164