https://news.yahoo.co.jp/articles/8b82711e8780d5e50a9a68e507cb8b33c48899f4
なぜ日米で逆の発想? CS削減とPO拡大の特例措置、コロナ禍で露わ「決定的な2つの違い」

>まずは、ビジネスモデルの違いからひも解いていこう。

端的にいってしまうと、NPBとMLBではリーグ・球団における収益の内訳が大きく異なる。NPBは観客動員によるチケット代と、それに付随するグッズや飲食の売り上げ(チームによってはスタジアムと収益を分配するケースもある)が収益の軸になっている。一方のMLBは観客動員そのものよりも、放映権料で巨額の収益を得ている。

市場の規模や選手の年俸などではMLBに大きく水をあけられているNPBだが、昨季の1試合平均観客動員数を見てほしい。

平均観客動員数(2019年)
NPB 3万929人
MLB 2万8339人

球団数が違うのでリーグ全体の動員数ではMLBに軍配が上がるが、1球団あたりの観客動員力ではNPBのほうが上をいく。チケット収入そのものは、チケット料金の違いでMLBのほうが上という事実もあるが、それでも「世界一」といわれるMLBよりも高い動員力を誇るのは、NPB12球団の経営努力のたまものだろう。

2004年に起きた球界再編騒動以降、12球団は積極的にファンサービスを展開。地上波でのテレビ放映の減少も相まって「球場に人を呼ぶ」ことをメイン戦略として経営を行ってきた。

筆者が編集を行っている雑誌では昨年まで、「12球団のファンクラブ担当者にインタビューする」という企画を連載していたが、どの球団も「まずは球場に足を運んでもらう」ことにプライオリティーを持って営業戦略を立てていた。