http://baseballstats2011.jp/archives/56622149.html
スポーツ紙に明日はあるか

19年前に600万部あったが、2019年、ついに300万部を割った。
19年間で半減ということは、あと19年で完全になくなることになる。ここ19年の減少率は53.5%だ。

一般紙はこの間、4740万部から3487万部に減っている。減少率は26.4%。これも小さな数字ではないが、スポーツ紙はほぼ倍のスピードで減少していることになる。

実際に今、スポーツ紙を街中で見るのは駅の売店と喫茶店くらいだ。定期購読している人はほぼ皆無だ。極めてマイナーな存在になりつつある。

スポーツ紙はこうした現状を大っぴらにはしていない。

スポーツ紙が公表している発行部数は、こんな感じだ。
 スポーツニッポン172万部
 日刊スポーツ166万部
 スポーツ報知142万部
 サンケイスポーツ127万部
 デイリースポーツ67万部
 中日スポーツ41万部
 東京中日スポーツ14万部

合計すると729万部になる。およそ2.5倍の水増しをしていることになる。現時点で100万部を超えているスポーツ新聞はないのではないか。こうした公称部数で広告掲載の営業をしているのだから詐欺みたいなものだ。

しかも新聞協会の発表した数字さえも、水増しがあるとされるのだから、闇は深い。

スポーツ新聞記者に話を聞いても、自社の発行部数をしっかりいえる人はほとんどいない。

NPBの球団の多くは、スポーツ新聞を「一心同体の仲間」だと思っている。球団の広報部のように扱っている。事実スポーツ新聞から広報などに転籍する人も多い。

しかしここまでスポーツ紙が衰退している現状に、危機感があるとは思えない。

ちなみに夕刊の東京スポーツはこのカテゴリーには入っていない。200万部を超すといわれている。私はこの新聞は、ゴシップやスキャンダルをいまだに載せているので、存在意義はあると思う。

今回の新型コロナウイルス禍で、スポーツ紙はさらにダメージを受けるだろう。「不要不急」の内容しか書いていないうえに、グレードも低いスポーツ紙を読む人は、もういなくなるのではないか。