1976年、第35期名人戦は中原−米長の対戦。中原が防衛して5連覇達成。永世名人の資格を得た。
その後、連盟と朝日の契約交渉が難航した。連盟は1億6千万円を要求。朝日の最終回答は1億1千万円プラス一時金1千万円。
連盟では棋士総会を開いて対応を協議した。そのときの案は
1.朝日が希望額を出してくださるよう祈る。
2.朝日の提示額をのむ。
3.連盟が自主運営する。
の3つであった。

朝日との交渉中、連盟はコメントを将棋世界に載せた。

「名人は、他のタイトルとは別格です。
タイトルを獲得した棋士には贈位状を贈ってその栄誉をたたえます。
しかし名人だけは推戴状を贈ります。全国の将棋ファンを代表して、連盟の会長が名人に推戴するのです。
名人は、与えられるものではなく推し戴くものなのです。」

続く