【高橋尚成EYE】鍬原、体重移動改善で球威増す(06:00)

 先発投手が3回で降板し、リリーフ陣の踏ん張りが求められた一戦。
光ったのは2番手・鍬原だ。
4回からの2イニングを無失点に抑えた。
直前の攻撃で、桜井に代打を送りながら無得点に終わっていただけに、彼が失点していれば、早い段階で中日に主導権を奪われ、サヨナラ勝ちもなかったはずだ。

 昨季までの鍬原は、走者がいる時といない時の差がありすぎた。
クイック投球時の体重移動がスムーズではなく、体が前に突っ込んでいた。
そのため、腕が振れなくなり、腕が振れないことで球が高めに抜けたり、球威がなくなったりした。

 今季はそこが改善され、クイック時でも力強いボールを投げられるようになっている。
ファームでの練習や、コーチのアドバイスの成果だろう。
4回は安打と犠打で得点圏に走者を進められたが後続を力のある直球とシンカーでフライアウト。
「良い投手」の基準の一つは、走者を出しても最後の1本を打たれないこと。
そこはクリアしている。

 開幕前から、鍬原と中川のポテンシャルの高さに注目していた。
決して「後付け」ではない。
この日、中川は打たれてしまったが、この2人が巨人の8、9回のマウンドを担う時代が来ると思っている。
(スポーツ報知評論家)