【あの人は今】
広島3連覇 元広島監督
緒方孝市さん(59)

2028年、日本シリーズ。
それをテレビで見つめる男がいた。
46歳で将来を嘱望され広島カープの監督に就任した、緒方孝市さんだ。
「あの頃は若かったですね(笑)」若き日を回想する緒方さんは、どこか寂しげだ。
「未だに当時の夢を見ることがあるんですよ。日本シリーズで、甲斐から盗塁を成功させる夢を…」
緒方さんは50歳の時に年間100敗で解任、
今は広島のローカルテレビでタレントをする傍ら、地元で走塁教室を開いて指導している
教室の旗に書かれた機動力の文字は広島の監督OBのブラウン氏によるものだ

「おひさしぶりです」。広島駅東口から歩いて5分。
数年ぶりに会った緒方氏は言われなければ元プロ野球選手と
思えないぐらいスーツ姿が似合っていた。
「一去年の4月に走塁教室を創設しました。今年はうちから排出した子が甲子園に出れましたし、そのうち広島カープに選手送り込みたいですね」
緒方さんははにかみながら語ってくれた。

原辰徳監督の日本シリーズでの甲斐捕手からの盗塁3連続成功を伺うと…
「知ってます?僕も足は速いほうだったんですよ」と、おどけ
「俺も意地さえ無ければって…歯がゆいですけど」
「今はもう監督に未練はありません。今は教え子を広島に送り込んで盗塁を盗めるよう、
頑張るだけです!」