2019.4.8 05:00
【虎のソナタ】西のツラがまえに江夏を見た
https://www.sanspo.com/baseball/news/20190408/tig19040805000003-n1.html

 (セ・リーグ、広島0−9阪神、3回戦、阪神2勝1敗、7日、マツダ)あ…と思
った。

 そりゃあ西勇輝投手の自身2年ぶりの完封の余韻に、どっぷりとクビまでつかって
いたい。しかし、ほら見たことか…という本音が、一回裏の大ピンチにあったのも事
実である。

 いきなり1死一、三塁の大ピンチ。こんな場面は最も残忍な攻撃力のあるチームに
対して、西はあえて3−0というとんでもないカウントに自分から仕掛けた。

 この時、彼の顔がモニターテレビにアップになった瞬間、あ…どこかでこのツラが
まえは記憶にあるぞ…と思った。

 西投手はあえて鈴木にストライクを投げず、松山の前に『満塁』という状況をつく
ったのだ。

 スライダーをボールにしておいて、なんと西は平然と主審吉本に「ボールを交換し
てください…」というしぐさをしている。

 江夏だ。あのふてぶてしい面構えのモンスター“江夏豊”がそこにいた。48年前の
1971年西宮球場での球宴第1戦の三回2死、江夏が試合前に筆者だけに「予告」
をして挑んだ『9者連続奪三振』という“怪”記録にあと1人となった。戦慄の走る光
景がそこにある。