阪神鳥谷16年目で初の開幕先発落ちも意地の一撃
[2019年3月30日6時1分]
https://www.nikkansports.com/baseball/news/201903290001393.html

<阪神2−1ヤクルト>◇29日◇京セラドーム
 矢野阪神が劇的なサヨナラ勝ちで開幕戦を飾った。1−1同点の延長11回、代打鳥谷
敬内野手(37)の三塁打から相手暴投で決勝点をゲット。プロ16年目で初めて開幕ス
タメンを外れた男が、意地の一撃で矢野燿大監督(50)に初陣勝利を届けた。満員札
止めの京セラドーム大阪に、今年最初の六甲おろしの大合唱。最下位からの頂点へ、
最高の弾みがつく球春到来だ。

   ◇   ◇   ◇

 白球が捕手中村のミットをすり抜け、バックネットまで転がった。延長11回1死三
塁。石山が投げた近本への初球はワンバウンドした。三塁走者の代走江越がホームを
踏んだ。サヨナラだ。ベンチからドッと虎ナインが飛び出した。ヒーローは誰…?

 追いかけられたその先に、歓喜のシャワーを浴びる鳥谷がいた。劇的フィナーレの
主役は、お立ち台に立って照れくさそうに笑った。

 「本当はホームランで決めたら格好良かったんですけど、三塁打のあと代走も出さ
れてますし、最後決めたワケじゃないんで、ちょっと恥ずかしい感じもします…」

 1−1で迎えた延長11回。土壇場の先頭で代打の打席に立った。フルカウントから石
山の7球目だ。真ん中速球を思い切り引っ張ると、打球は高々と右翼上空を舞いフェン
スに直撃。快足を飛ばして、一気に三塁に達した。「ベンチから全員出てくる感じだ
ったので、それに乗せられた(笑い)」と、珍しく感情を爆発。両手をたたいて喜ん
だ。無死三塁。ベテランのひと振りで決定機を築き、サヨナラ劇につなげた。