日本野球機構(NPB)と労組・日本プロ野球選手会(炭谷銀仁朗会長=巨人)の事務折衝が22日、東京・港区のNPB事務局で行われ、西武・秋山翔吾外野手(30)と巨人・丸佳浩外野手(29)が初めて出席。
出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させる制度、いわゆる「現役ドラフト」などの実現に向け、現場の声を直接伝えた。

 216安打のシーズン最多安打記録を持つ秋山と、セ・リーグの2年連続MVPで、今季から巨人でプレーする丸。トップ選手の声が、制度を動かすかもしれない。

 日本プロ野球選手会ではこれまで、チーム事情などから出場機会に恵まれない選手にチャンスを与えるため、
米大リーグが他球団のマイナー選手を獲得できる「ルール5ドラフト」を参考に、移籍を容易にする「現役ドラフト」を提唱。一昨年からNPB側との折衝で模索を続けてきた。そんな中で、秋山と丸が事務折衝の席についた。

 「実力の世界だから、レギュラーはつかみ取るもの。それでも、チーム事情でチャンスをもらえない現実もある。2軍の選手と『現役ドラフトがあったらいい』と話していたことなどを伝えさせてもらった」

 話し合いの後、こう明かしたのは丸。自ら広島時代に同僚から聞いた話をもとに、現実を訴えた。秋山も「他のチームで必要としているなら、出場機会は増えるのではないかと思う」と熱いメッセージを伝えた。

 球界を代表する2人が出番を得られない選手の声を代弁し、移籍制度の改革を訴えた形だ。ともに事務折衝に出席するのは今回が初めて。異例の行動となった。