子どもを産むことは、災いを増大させることにほかならない
存在しないよりは存在する方がマシだということを証明するいかなる方法も存在しない
赤ん坊を他人に見せ、潜在性のこの災厄を見せびらかしては悦に入る。
これはもう理解を絶した狂気の沙汰だ。

人生は絶え間ない苦労と不断の心配に耐えながら困窮と戦いつつ、この生存そのものを
日々かろうじて維持するだけのことであり、しかも前途には死があるのみである。
幸福は消極的であり、苦痛は積極的である。
この世は、苦悩と不安に苛まれている生物が、互いに食い合うことによって生を繋いでいる修羅場である。
墓石を叩いて、もう一度生き返りたいかと死者に問えば、彼らは首を横に振るだろう。
― エミール・シオラン ―


多田野が結婚しない理由てこれかな