>>391
 それでもプロ16年目を迎えた鳥谷は「手応えを感じたくてやってるわけじゃない。
できることは何でもやってる、という感じです」と涼しい顔。若手と同じトレーニン
グを重ねていることにも「誰もけがしてないでしょ。それが普通です」とさらりと言
い切った。

 前日には糸原、この日は北條と大山が早出ノックを志願するなど、競争&自主性を
掲げる監督の思いは浸透しはじめてきた。そんな中でも鳥谷は必死さを表に出してい
るわけでない。練習中も笑顔で声を出し、自ら盛り上げ役も買って出ている。

 「アピールしてもらえればいい。お客さんもああいうのは見てておもしろいと思う。
レギュラーになっていく延長線上で、自主的なそういうのはどんどんやっていってく
れていいけどね」

 指揮官もにんまりだ。ベテランが目立てば、若手も追随する。矢野阪神が、上々の
スタートを切った。 (大石豊佳)


鳥谷について浜中打撃コーチ
「入る予定はなかったけど、本人が打ちたい、と。この時期にスピードボールに対応
できるか試したかったんでしょ。今までのキャンプで一番体が動いてると思う。話し
ていても、これが最後だという風に感じる。7日(紅白戦)は早い気もするけど、早
い段階で出たいでしょうね」


★「自分信じろ」
 野球教室で少年から「うまくいかない時にどうしたらいいか」と聞かれた鳥谷は「
やってきたことを信じる。監督も常々、自分を信じろといってます。『次は成功する』
というイメージするといいプレーができると思います」とアドバイスした。昨年は連
続試合出場が途切れ、打率・232と自己ワーストで挫折も味わったが、自身もかつ
ての輝きを取り戻す決意表明のようだった。