2019.2.3 05:03
阪神・福留“打撃投手”、愛の97球!若虎のため一肌脱いだ
https://www.sanspo.com/baseball/news/20190203/tig19020305030009-n1.html

 阪神春季キャンプ(2日、沖縄・宜野座)若虎に闘魂注入! 阪神・福留孝介外野
手(41)が若手選手が行う個別メニューの特打の打撃投手を務めた。15分間、全
97球を投じ、柵越えゼロに抑えた。飛躍が期待される若虎へ、前主将がひと肌脱い
だ形だ。

 俺の球を打て! 思いを感じろ! 若手中心の個別メニューの特打で、福留がおも
むろにマウンドに向かった。気温18度の晴天の下、ちぎっては投げ、ちぎっては投
げ−。97球すべてに、思いを詰め込んだ。

 −−自己採点は?
 「何の?」

 −−ピッチングのですが…
 「別に」

 練習後はいつもの泰然自若? だったが、多くを語る必要はなかった。

 午後3時過ぎ。突然、マウンドでキャッチボールを始めた。PL学園高時は背番号
「6」ながら救援登板するなど投手としても活躍。今も試合前のキャッチボールでナ
ックルやスライダーを披露するなど“遊ぶ”が、今回ばかりはいつまでたっても終わら
ない。異変に気づいた島田、糸原、植田、北條、板山が目を丸くしながら、打席へ−。
およそ10球ずつ。板山以外には1人2度ずつ対戦し、結局、柵越えゼロに抑えるパ
ーフェクト投球。肩作りの一環だったが、濃密な15分にスタンドから拍手を送られ
ると、にこやかな表情で応え、袖で額の汗を気持ちよさそうにぬぐった。

 最も感謝していたのは矢野監督だった。

 「ありがたい。チームのためとか、来てくれたファンに喜んでもらおうかなとか、
後輩にも何か感じ取ってくれよ、じゃないけど、そういうメッセージって多分、ある
と思う。俺はお願いしているわけじゃないから」

 昨季まで2年間、福留は主将を務め、糸原にバトンを渡した。糸原自身、声だし役
などで張りきっているが、まだ3年目だ。最初が肝心だからこそ、背中をそっと押し
てあげたというわけだ。