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 最初から最後まで戦い抜き、若手をねじ伏せなくては先がない−。誰より鳥谷自身
がそう覚悟しているからこその「超速実戦」だ。昨季は歴代2位の連続試合出場が「
1939」で途切れ、屈辱にまみれた。最悪の形で5年20億円の超大型契約の最終
年を迎え、契約更改の席では「野球を続けられるのか、辞めなきゃいけないのかとい
うのも、大事な1年になる」とまで言った。プロ野球選手としての生死を懸ける。そ
の2月に、じっくり状態を高めてなど、いられるはずがなかった。

 夕方、西宮市内のホテルで開催された合同スタッフ会議後、鳥谷の覚悟を伝え聞い
た矢野監督も「それは挑戦するっていう時点で感じてるけどね、俺は。あれだけの数
字を残してる自分っていうのを、かっこよすぎるかもしれんけど、捨ててるっていう
かさ」とうなった。北條、植田、熊谷、D3位・木浪聖也内野手(ホンダ)もいる遊
撃だが、この熱さが、宜野座をまたアツくする。

 最後は「頑張ります」と白い歯をこぼし、甲子園をあとにした。近日中にも森越と
の米ハワイ自主トレに出発する。一気に戦える体に仕上げ、沖縄ではもう勝つだけだ。
 (長友孝輔)